体験談

体験レポ|裁判員制度で裁判員に選ばれて1週間裁判員を体験したので振り返る

2009年より始まった裁判員制度。

国民から選ばれた裁判員が、裁判官と一緒に刑事事件の審理に参加する司法制度のことです。

私は今回、裁判員としてある刑事事件の審理に関わることになったので、備忘録的にその時の体験を記事にしたいと思いました。

なので、これから裁判員になる人や裁判員の候補者通知が届いて迷っている人に読んでもらい参考にしていただだければと思います。

※守秘義務によりすべての内容を開示できませんのでご了承ください

 

突然届いた裁判員候補者の通知

ある日、私の自宅に裁判所から大きな封筒が届きました。

裁判で訴えられるようなことはしていないはずなんですが、もしかして酔っ払って記憶がなくなった時になんかやらかしたのかな。と、すこし焦りつつもその大きな封筒を開けました。

封筒を開けてみると、中には「裁判員裁判の候補者に選ばれました」という旨が書かれた書類と、裁判員制度Q&A小冊子が入っていました。

裁判員制度で候補者に選ばれる確率は、都道府県にもよりますが有権者の中のおよそ1/1000程度ということ。

なので、ナンバーズ3のストレートを1回で当てるのとほぼ同じくらいの確率ということになります。

 

ろいほくん
ろいほくん
ナンバーズ3当たった方が嬉しいね。

 

ええ。ナンバーズ3ならおよそ10万円くらいの払い戻しになるので、どう考えてもナンバーズ3が当たった方が私にとっては嬉しかったです。

 

そんな夢物語は置いておいて、見事1/1000を突破してしまった私はこの時そこまで裁判員制度を意識していませんでした。

この時はまだ、裁判員制度のQ&A小冊子を手に取りながら、ちょっと面白そうだけど・・・面倒だなあ。

そう思うくらいしかなかったのです。

ちなみに、最終的に裁判員になる確率は1/13000といわれています。

 

裁判員候補者の招集

裁判員候補者通知が届いてから数週間経った時のこと。

またしても私の自宅に裁判所から大きな封筒が届きました。

いやいやいやいや、ちょっとまって。

裁判になることなんてしてないはずだけど。もしかして酔っ払った時に・・・

そうやって、過去にひとりツッコミを入れたことなど忘れて、脳内で同じ過ちを繰り返しつつ封筒を開けました。

 

当然ながら、中には裁判員制度のことがかかれた書面が入っていました。

よ、良かったぁあああ!!

 

ろいほくん
ろいほくん
(良かったのか?)

 

今回の内容は、裁判員候補者の中から最終的に裁判員になるための抽選会を実施するので来て欲しいということが書かれていました。

抽選会の日が平日の午前中ということもあったので、私は会社に有給申請を出して抽選会に向かいました。普通の企業なら、裁判員制度に関わる有給は「公務休暇」というものに当てはめることができるので自身の有給を消化せずに休むことができます。ブラック企業だとダメかもしれませんが、一般的には休めます。

裁判員制度で裁判員に選ばれるかもしれない・・・。

やはり楽しみな反面めんどうだと思う気持ちもありました。

自分の1票や意見で犯罪者の今後が決まると考えるのも多少なりとも気持ちがマイナスになるものです。

 

裁判員決定の抽選会場へ

裁判員決定の抽選会当日。私は予定の時間よりも30分ほど早く裁判所につき、会場へ向かいました。

会場の受付には、裁判所の事務の方がスタンバイしていました。

今回抽選で選ばれた旨が書かれた書類を差し出すと、ネックストラップに入館証的なことが書かれたものを渡され、指定された席に着きました。確か17番だったと思います。

 

当日来れなかった人を含めて40-50人くらいの席がありました。

この中から裁判員が選ばれるわけですが、どうやら選ばれるのは全部で7人。

 

事務担当の人が丁寧に説明してくれます。

7名のうち、6名の裁判員と1名の補充裁判員を決定します。

まずはアンケートをお書きください。

 

そう言って、簡単なアンケートが配布されました。

アンケートを書きながら、事務の人は続けて説明をしてくれます。

補充裁判員というは、審理には参加するが刑を決める時の投票権を持ち合わせていない裁判員のことで、裁判員が自己都合などから途中で裁判員を降りた時、代わりに裁判員に繰り上がる役割も果たす人のことを指します。

 

補充裁判員も含めた、裁判員に選ばれる確率としては約1/7。

うーん・・・引きそう(笑)

 

事務の人がアンケートを回収し、これから抽選をするとのことで、私は手元に配られたお茶を一口飲みながら考え事をしていました。

この時、私はここ数年なかった引きの強さを発揮していて、時間つぶしに遊びに行ったパチンコ屋で1/8192のGODを2回引いていたので、1/7なんていう確率はもう余裕のよっちゃんで引いてしまう範囲の確率だなあと。

でもまあ、GODを2回も引いていたのでそろそろその運も使い切っているだろうと逆説的に余裕のよっちゃんで抽選は当たらないだろうと。そう思っていました。

 

ところで、抽選ってなんぞや?くじ引きかなにかか?と思っていたら、コンピューターによる抽選でその内容はこちらが知ることはできないとのこと。

え?うそ?それほんとに抽選やってるの?

 

もしかしてさっき書いたアンケートの内容次第で人為的に抽選しているんじゃあなかろうか?そんなことを考えている間に抽選が終わり、結果が出たのでこれから発表しますと、事務の人が大きいホワイトボードを私たちの前に用意しだしました。

 

裁判長から抽選結果の発表

抽選で選ばれた方の番号をこれからホワイトボードに掲示していきます。

皆様のお手元にある番号がそれに当たりますので、ご自身の番号が呼ばれたらすみやかに前に出てきてください。

 

事務の方と一緒に出てきた裁判長と名乗る方が優しい口調で説明を始めました。

 

では番号を発表します。

 

私は17番です。呼ばれたいような、呼ばれたくないような・・・。

 

1番の方・・・。

5番の方・・・。

8番の方・・・。

16番の方・・・。

 

よし!一桁台で3人呼ばれてここで16番ならさすがに17番はないだろう!!

あぶねえええええ!!

 

17番の方・・・。

 

ふぁっ!???え?まじ!!?

 

26番の方・・・。

そして、補充裁判員として35番の方。

 

おおおおおい、やっぱり呼ばれたかぁああ!!

呼ばれると思ってたよ・・・。

 

1/13000突破しちゃったかよ・・・。

だったらもう1回GOD引きたかったわぁ・・・。

 

あっさり抽選に突破してしまい、見事裁判員になってしまった私。

今日から1週間裁判員としての生活が始まることになります。

私はすぐに会社に電話をして、公務休暇を1週間延長することにしました。

 

裁判員の職務

裁判員に選ばれると、裁判所内にある専用の部屋で審理をすすめることになります。

簡単にいうと、裁判員と裁判官で担当した刑事事件について話し合い、判決を決めるべく会議をするということ。

今回は1週間で行うので、およそ4回ほど審理(会議)をして判決を決定します。

そのあいだ、複数回に渡り法廷にも行きます。

検察と弁護の両方の言い分を順番に聴いていくのです。

 

もちろん、被告人の言い分も本人から聴きます。

 

よく、ドラマで法廷が出たりしますが、本当にあんな感じです。

被害者と加害者双方の言い分や事実確認を複数日に分けて話していくのです。

 

審理期間中の心理状況

仕事を完全に休みにしていたので、裁判所での仕事を終えたプライベートの時間も今回の事件について考えてしまうようになりました。

私自身、普段の仕事もなかなか休めないポジションにいたので他の人に仕事を引き継いでやってもらってたのですが、それも気になってしまい精神的にかなり疲れたのは事実です。

基本的に裁判員に選ばれた後でも、通常の職務を休んだことで、会社に多大な損失を与える可能性がある場合は断ることができるという条件があるので断ることはできました。(実際に休んで6千万くらい損失でました)

しかし、それよりも自分の経験として蓄積させたかったという想いの方が強く、断ることはしませんでした。

 

裁判員中に給料は発生するか

裁判員に選ばれると、そこそこの日当をもらえます。これは地域によって異なると思いますが、およそ8,000-9,000円ほどです。

そして、本職の方も「公務休暇」を取得できるので、有給と同じ扱いになります。

なので、給料をダブルでもらえるような形になりますね。

ちなみに裁判所から頂いた40,000円は、めでたくスロットに吸い込まれましたので、裁判員になったときに運を全部使ったんだなあということを改めて感じました。

これを感じられるってことはすごい重要なことなんですよ。

 

裁判員として最期の日となる判決

裁判員としての仕事も最終日。

判決の内容は決まっていたので、その内容を法廷で被告人に伝えることでこの仕事は終わります。

法廷内でのことは誰でも見聞きできるので守秘義務の範囲に入りません。

なので、当日の状況を赤裸々に説明します。

 

まず、裁判長を含めた私たち裁判員が法廷に並び、礼をします。

すでに傍聴席は満員で、被告人が呼び出され、証言台に立たされます。

被告人の後ろ、傍聴席には被告人の家族もいて、うつむいたまま判決が下されるのをじっと待っています。

 

裁判長から本件に対する判決が言い渡されます。

判決は弁護側が主張するものよりも重いものでした。

被告人は正面の私たちをまっすぐに見ながら、判決を噛み締めているようにも見えました。

傍聴席の家族もうつむいたまま。

 

判決の内容を決めたのは私たち裁判員と裁判官なのですが、この時、なんとも言えない感情を抱きました。

ここに書けないことはたくさんあるので、なんて伝えたらいいか非常に迷いましたが、正直に書けることを書こうと思います。

 

再犯するな、これは。

 

そう思いました。

刑の中では重い方なのですが、本人と家族が本当に真摯にこの事件に向き合い、なぜやってしまったのか?どうやったら防げるか?防ぐために何をしなければならないのか?

そうやって考えて実践していることが、非常に稚拙でしたし、再犯をしないために何をするかという弁護側のある意味プレゼンも非常に不明瞭なもので、これが一般的な会社のプレゼンだったら確実に通らないだろう。とそう思いました。

私たちが出した判決に、被告人が再犯をしないためのある条件をつけました。

判決の仕方によってはそういうこともできるそうです。

被告人が再犯をしないためには被告人自身が努力をすること。

これは、私の本意で、本当に努力してほしいと思いました。

今回、被告人は社会復帰のための最期のチャンスを手に入れたはずです。

本人が変わるためにも、このチャンスは生かしてほしいと心から願っています。

 

まとめ:裁判員に選ばれたら

裁判員に選ばれたら、ぜひ断らず裁判員を経験した方が良いと私は思います。

それによって、もしかしたら失うものがあるかもしれません。

一方で、得られるものがあるかもしれません。

私は、いまこの時点でこのことに答えはまだ出せていませんが、得られたことと失ったことがあると思っています。

 

それはまた、別の機会にでも。

 

Back to top